こんにちは、伊豆釣り.comです。
今回はデュエルの「魚に見えないピンクフロロ」をインプレッション!
全シリーズ使い込んだ実釣経験を元に、基本的な特徴やシリーズごとの違いを徹底解説していきます。
ウィークポイントや不向きと感じた使い方も忖度なくレビューしますので、「実際の使用感」を知りたい方は是非参考にしてください。
尚、魚に見えないピンクフロロのエビデンス的な部分に関しては、デュエル特設ページと公式YouTubeで解説されていますので割愛します。
魚に見えないピンクフロロの基本性能
強度:★★★★☆
耐摩耗:★★★☆☆
しなやかさ:★★★★☆
コスパ:★★★★☆
特殊効果:ステルス
魚に見えないピンクフロロの評価は以上の通り。
基本性能としては、ややコスパに優れたベーシックなフロロという印象です。
一番重要な強度に関しては、号数並みの耐久性が担保されていると感じました。
ハリス1.25号で40オーバーのメジナの突っ込みを耐えられたので、強度面に関してはかなり信頼しています。
限界負荷をかけた際の安定性が高く、「道糸1.75号、ハリス1.5号」のようなシビアなセッティングでも、道糸側からラインブレイクしたことは一回もありません。
使用感としては若干しなやか寄りのライン。
パリパリ系のフロロより扱いやすさに長けていますが、その辺は耐摩耗性とのトレードオフになっていると感じました。
最大の特徴であるステルス効果は、活性が低い魚やスレっからしな魚など、激渋なシチュエーション向け。
釣果を伸ばせず悩んでいる方や、人の多い激戦区で釣りをする方におすすめですね。
魚に見えないピンクフロロのメリット
魚に見えないピンクフロロの強みは以下の通り
・ステルス効果で釣果アップ
魚に見えないピンクフロロ独自の強みは「ステルス系でコスパが良い」という事。
これまでもステルス系のハリスやリーダーは存在していましたが、総じて高価だったんですよね。
また、従来のステルス系フロロの多くはダークカラーで、「暗くて目立たないからステルスできますよ」というセールスでした。
人間目線ではもっともらしい理由ですが、実際は眉唾な側面もあってオマケ的な要素だったと思います。
人間の視点と魚の視点は異なるので、人間目線の常識を転用しても当てはまらないことが多いんですよね…。
私は仕事で魚の養殖や品種改良をしていますが、常々そう感じてます。
一方で魚に見えないピンクフロロはステルス効果の根拠がハッキリしており、実釣でも釣果の伸びを明らかに体感出来ました。
これまでもピンク系ナイロンは数多く存在しましたが、魚に見えないピンクフロロはフロロカーボンという所がミソ。
ルアーエサ問わず、大半の釣りではフロロカーボンを結束しますので、ピンク系のステルスフロロは唯一無二にして汎用性が非常に高いです。
魚に見えないピンクフロロのデメリット
魚に見えないピンクフロロの弱みは以下の通り。
・活性が高い魚には効果が薄い
・根ズレ強度が高くない
高活性な魚に対してはステルスの恩恵を活かせません。
例を挙げるなら「ナブラで入れ食いになっている状態・スレという概念が少ない魚」
釣法・魚種別の向き不向きは次項で解説しますので、本項では割愛します。
加えて難を挙げるとしたら根ズレ強度に関してですね。
敢えて「根ズレ強度が高くない」と表記したのは、決して弱いわけではないからです。
ショア用途であれば大半の釣りにマッチしますが、頻繁に物理的ダメージがかかる釣法に不向きといった感じですね。
例えば岩礁帯をボトムノックしたりする使い方とは相性が悪いと感じます。
魚に見えないピンクフロロの魚種・釣法別相性
本項ではショア用途の中から、魚に見えないピンクフロロとの相性を解説していきます。
想定されるターゲットや用途と照らし合わせて相性を確認してください。
魚に見えないピンクフロロが有効な釣法と魚種
エサ→フカセ釣り、紀州釣り、遠投カゴ釣り
ルアー→シーバス、アジング、エギング、チニング、エリアトラウト、バス
上記の用途・ターゲットを想定しているのであれば、魚に見えないピンクフロロは間違いなく有効です。
逆に以下の釣法は個人的にピンクフロロの効果が薄いと感じた用途になります。
魚に見えないピンクフロロを活かしにくい釣り
エサ→ブッコミ釣り、投げ釣り、電気ウキ釣り
ルアー→ロックフィッシュ、タチウオ、フラット、ショアジギング
魚種→青物、根魚、フラットフィッシュ、タチウオ、カマス
先に断っておくと、上記の釣りでも決して使えないわけではありません。
あくまでステルス効果が薄いと感じた用途・魚種になります。
どんな釣りでも様々な魚種がヒットしますから、恩恵を受けられる場面は多々あるかと思います。
全ての釣法・魚種に触れていくと膨大になってしまうので、次項からは特筆すべき点を挙げて解説していきます。
警戒心の高い魚には効果抜群
魚に見えないピンクフロロは、ラインを見てくるタイプの魚には効果的です。
ラインの太さで食い渋る魚と言えばチヌやメジナですが、私はこの辺の魚をメインターゲットに大きな恩恵を感じています。
バイトの数や、ウキに出るアタリの深さが全然違うんですよね。
本気バイトを引き出せればバラシも減りますし、釣果も確実に伸びました。
また、他魚種を狙う遠投カゴ釣りにも最適です。
遠投カゴ釣りはハリスが太くなりがちなので、どうしても刺し餌に違和感を与えやすい。
特にタイ系狙いでの有効性は間違いありません。
ルアー用途でいえば、エリアトラウトやシーバスを筆頭にスレ前提の魚と相性抜群。
ぶっちゃ今の時代はどこも釣り人だらけ、ショアから簡単に釣れる事なんてそうそうありません。
これだけ過酷な競争の中で釣り負けない為に、魚に見えないピンクフロロの需要は今後も伸びていくと思います。
強度面に長けたラインは他にもありますが、まず魚を掛けないと始まりませんからね。
「今日もノーバイトだった…。」みたいな状態に慣れてしまっている方には、魚に見えないピンクフロロを是非試していただきたいです。
ロックフィッシュ狙いの釣りにはおすすめしない(追記あり)
個人的な結論として、ロックフィッシュ狙いの用途だけはイマイチだなと感じました。
ロックフィッシュはスレという概念が少なく、魚にコンタクトさせることが重要。
ステルスの恩恵が期待できませんし、何よりも相性が悪いのは根ズレ強度ですね。
多少の根ズレ程度には耐えますが、根から強引に引っ張りだしたりするには少し心もとなく、敢えて魚に見えないピンクフロロである必要性がない。
岩礁帯のチヌ釣りでロックフィッシュを何度か掛けた際、根ズレ前提で使うには心もとないという印象を受けました。
はなから根ズレが想定されるのであれば、パリパリ系のハードフロロを使った方が釣果に繋がります。
他にも歯の鋭い魚種や青物など、ラインの太さに見境なく口を使う魚にはステルス効果が薄いと感じますね。
追記
青物やハードロックフィッシュ、タチウオに使い込んでみました。
タチウオ狙いにおいては、糸質がツルツルしているので魚の歯で切られにくく、相性抜群。
ロックフィッシュにおいては、ハタを50匹ほど釣っても根ズレブレイクは1度もありません。
青物においては、メーターシイラを筆頭に夏のSLSで使い込んでみましたが、こちらもラインブレイクはありませんでした。
ステルス効果は期待できないものの、実釣においては使用感良好です。
魚に見えないピンクフロロ各シリーズの違いを徹底解説
本項では魚に見えないピンクフロロ全5シリーズの特徴を解説していきます。
尚、デュエル様への問い合わせから「糸の物性は全て同一である」との回答をいただきました。
シリーズに関わず糸の性質自体は同じと考えて間違いありません。
魚に見えないピンクフロロ
万能ハリスとしてスタンダードに位置するのが、「魚に見えないピンクフロロ(無印)」。
個人的にはルアーエサ問わず、この無印シリーズがかなりおすすめですね。
理由はスプールの径が他シリーズよりも一回り大きいから。
フロロカーボンでありがちな巻き癖を抑えることができる為、太い号数やロングハリス・ロングリーダーとの相性が良いです。
また、ラインをびた止め出来るジャストストッパーが付いているので、引っ掛ける位置に合わせる必要がなく、好きな位置で自由に止めることができます。
総括するとラインの巻き癖と携帯性のバランスを考える方に「魚に見えないピンクフロロ(無印)」がおすすめ。
釣行時にタックルボックスなどの荷物入れを持ち運ぶ方に最適です。
ラインナップは1.5~14号と大半の釣りにマッチします。
ただ、極端に細い号数はラインナップされておりませんので、次項のショックリーダーが必要になります。
魚に見えないピンクフロロ「ショックリーダー」
ルアー用途に作られているのが「魚に見えないピンクフロロショックリーダー」。
無印よりもスプールが小型で、携帯性に優れている事が特徴です。
ルアー全般に適合しますが、特に軽装でのランガンやウェーディング、磯場など荷物が限られた釣りに最適ですね。
ショックリーダー独自の特徴は超細糸のラインナップがあること。
最小0.4号からラインナップされており、ライトゲームやエリアトラウトでは必須のアイテムとなります。
ショックリーダーシリーズの惜しい点は6号のラインナップがない事でしょうか。
6号は割と多用される号数なので、6号を使いたい人には前項の「魚に見えないピンクフロロ(無印)」をおすすめします。
0.8~2.5号においては裏技がありますので次項の磯ハリスで解説します。
魚に見えないピンクフロロ「磯ハリス」
磯釣り用途に作られているのが「魚に見えないピンクフロロ磯ハリス」。
基本的な作りに関しては「魚に見えないピンクフロロショックリーダー」と同じです。
ただ、両者は全く同じというワケではなく特定の号数にのみ違いがあります。
それはラインキャパに関して。
磯釣りはラインの消耗が激しい為、全ラインナップ50m巻きで作られています。
一方でショックリーダーは0.4~2.5号のみ30m巻きで作られています。
つまり、ショックリーダーと磯ハリスでは0.8~2.5号において20mの差があるのですが、両者の小売価格は殆ど変わりません。
要するに「0.8~2.5号のショックリーダーを買うなら、磯ハリスを買った方が圧倒的にお得である」ということです。
エギングやチニングなどをされる方はコッソリ有効活用してください。
魚に見えないピンクフロロ船ハリス(船ハリス大物)
船釣り用途に作られているのが「魚に見えないピンクフロロ船ハリス」。
大口径スプールで2~16号のラインナップとなっています。
船釣り用途としては勿論ですが、100m巻きなので純粋なコスパとしては破格。
スプールが大きい分、巻き癖が少ない点もグッドですね。
遠投カゴ釣りなどのロングハリスを使う釣法において、ショア用途にも最適です。
船ハリスで触れるべき点はジャストストッパーが付いていない事くらいでしょうか。
当然嵩張るので軽装の釣りには基本不向きとなります。
また、大物用の18~120号も別途ラインナップ。
こちらは50m巻きのスプール無しとなっており、船からビッグワンを狙う方は是非使ってみてください。
魚に見えないピンクフロロ「漁業者・プロスペシャル」
最後は業者用に新しく作られた「魚に見えないピンクフロロ漁業者・プロスペシャル」。
こちらは号数ラインナップが10~120号となっています。
船ハリス大物との相違点はラインキャパが100mあるという点ですね。
船ハリス大物よりコスパを重視するのであれば、漁業者でなくとも一考の余地があるかと思います。
最後に各シリーズの違いを総括しておきますので、チェックしてください。
・糸の物性は同じ
・スプールの径が違う(磯ハリス=ショックリーダー<無印<船ハリス)
・ジャストストッパーの有無(無印、ショックリーダー、磯ハリスに搭載)
まとめ
今回は「魚に見えないピンクフロロ」を徹底解説しました。
最大の特徴であるステルス効果に加え、基本性能面でも安心して使える名作!
様々な釣りをする私にとって「魚に見えないピンクフロロ」はもはや手放せない存在となっています。
渋いシチュエーションほど恩恵を受けられるラインなので、厳しい時の1匹をひねり出せること間違いなし!
コスパ系ラインとしても非常に優秀なので、釣果を伸ばしたい方は是非試してみてください。