こんにちは伊豆釣り.comです。
今回はダイワエントリーモデルの「23ラグナLT」のインプレッション!
しれっとリリースされていた本モデル。
存在自体を最近知ったという人も多いのではないでしょうか?
それもそのはず。
本モデルは最新機種にもかかわらず、ダイワホームページで一切の紹介がなされていないのです…。
勿論インプレ記事なんて1つもありませんでした。
PEライン付きで5000円を下回るほどの最強コスパモデルなのに、存在が知られていないのはあまりに惜しすぎる!
そこで今回は実際に購入した私が、実釣経験を元にインプレッションしていきたいと思います。
ちなみに私が使用したのは2500番、チニング用途で購入しました。
ビギナーさんを筆頭に、「これからルアー釣りを始めたい方」「サブ機を探している方」は是非参考にしていただければ幸いです。
23ラグナLTの特徴とざっくり評価
23ラグナLTのざっくり評価は以下の通り。
剛性:★★★☆☆
軽さ:★☆☆☆☆
巻き感:★★☆☆☆
パワー:★★★☆☆
ドラグ性能:★★★☆☆
コスパ:★★★★★
忖度せず素直に評価するとこんな感じ。
基本性能に関しては、上位モデルより当然劣ります。
ただ、PEライン付きで5000円弱のリールなので、お値段以上と感じられる部分はかなり多いですね。
特に価格帯の近いワゴンリールだったり、ノーブランドリールとは比べ物にならない程のスペックは持ち合わせています。
実釣でも何ら問題なく使えるレベルで、同社エントリーモデルと同じ土俵で比較する価値はあると感じられました。
本インプレ記事では「クレスト・レブロス・レガリス」など価格帯が近い上位モデルや、ライバル機である「シマノ ネクサーブ」との比較もしますので、エントリーモデルの中で迷っている方にお力添え出来るかと思います。
23ラグナLTの使用感
本項では実釣での使用感を解説していきます。
個人的に「おぉ」と思ったのが以下の3点。
初期装備のPEラインは意外と悪くない
ドラグ性能はムラがあるものの良好
巻き感はそれほど悪くない
初期装備のPEラインは意外と悪くない
まず初めに、初期装備のPEラインについて触れておきます。
正直1,2回使ったら使い物にならないレベルを想定していましたが、それなりには使えるレベル。
手触りはザラザラしており、コーティングされた感じはありません。
安価なPEラインで標準の4本編みといったところですね。
そして、ラインカラーは淡いエメラルドグリーン。
蛍光カラーに比べると視認性が良いとは言えませんが、ラインを見てアタリを取らない釣りなら不満はない。
使用に伴う変化としては、変にコーティングされていないおかげで色落ちは緩やかですね。
写真は河口域で10数回使用した後ですが、「少し薄くなったかな?」という程度。
また、ザラザラしているおかげでラインを抑えやすく、ショックリーダーの結束が組みやすいです。
FGノットに慣れていない方には、ありがたい要素とも言えます。
反面、ガイドとの糸鳴りや、飛距離への影響は否めないといったところ。
ルアー経験が豊富な方であれば、8本編みの高級ラインにサッサと変えてしまうのが吉でしょう。
使用に伴ってほつれてきますので、長持ちさせたい方は適宜カットしながら使うことをおすすめします。
ドラグ性能はムラがあるものの良好
お次はドラグ性能に関して。
この価格帯にしてATDドラグが搭載されており、間違いなく値段以上の性能です。
余程シビアな釣りでなければ、充分使えるレベルに昇華されていました。
ただ、実釣でドラグを出してみるとムラはそれなりにあります。
違和感に気づいたので手で引っ張ってみると、僅かに強くなったり弱くなったり…。
PEラインでの釣りには問題ないレベルですが、エステルラインや極細PEラインには適していません。
また、ATDドラグが搭載されたエントリーモデル特有の食い込み感もありますので、瞬間的なヒキには不安が残ります。
緩めのドラグ設定で使うことを推奨します。
巻き感はそれほど悪くない
巻き感に関しては、エントリーモデルと比較して大きくは劣らずといったところ。
ただ、巻き出しの重さは少し気になったかな。
ノーマルギアでもハイギアと同じ程に初動の遅さは感じました。
巻き心地的にも、レブロスや旧レガリスに比べると1段劣ります。
ただ、エントリーモデルのリールは使用につれて巻き感が低下してきますので、最終的には同レベルに落ち着くでしょうね。
巻き性能を求めるなら、最低でも21フリームスLTレベル。
要するにミドルモデル以上でないと、どのみち不足感はあります。
また、ハンドルが共周り式になっていますので、僅かなガタ感も避けられません。
ここまで割と辛辣に書いていますが、全モデルを相対的に見ての評価です。
最下位に位置する23ラグナLTがそれらに劣るのは当然なわけで、そこに目を瞑って手放して褒めるなんてことは出来ません。
大事なのはビギナーさんがその差を理解した上で、我慢できるかということ。
この”差”部分を本記事で見極めて、リール選びに活かしていただければなと思います。
23ラグナLTの良い点
本項では23ラグナLTの良い点について触れていきます。
最下位モデルだから下位互換なのかというと、決してそういうわけではない!
23ラグナLTにしかない強みもしっかりと見つけることが出来ました。
順に解説していきたいと思います。
ローター回りの剛性は価格以上
言及されがちなエントリーモデルの致命点。
それはやはりローターの剛性でしょう。
樹脂素材で肉抜きされたローターというものは、どうしても剛性感に欠けてしまいますからね。
ただ、23ラグナLTは同価格帯のリールと比べるとローター回りがかなりガッチリしていました。
その理由がこれ。
肉抜きのない、超極厚ローターです。
「素材が柔いなら厚くすればいいじゃないか」と言わんばかりのゴリ押し。
勿論デメリットもありますが、開発費用が少ない故の工夫でしょうし、明確に強度は出せるので面白いとは思いました。
ザイオンVローターには及ばないものの、従来の樹脂ローターよりは安心感があります。
大きな負荷を掛けなければ、たわみもあまり感じません。
シャフトにPEラインを巻き込みにくい構造
ローターの話が続きますが、中央部に関してもシンプルな構造。
ただ、このお陰でライントラブルが深刻化しないようになっています。
ルアー経験者なら「ラインがシャフトに絡まる」といったトラブルの経験が1度はあるでしょう。
23ラグナLTはローターが傘のように張り出しているおかげで、ラインがシャフトに入りづらくなっていました。
また、ローター自体もシンプル構造なので巻き付くだけで済む。
深刻化しないので、ラインを傷めてしまうリスクも限りなく低いです。
良くも悪くもビギナーさんに寄り添ったモデルだなと感じました。
逆転レバーが削減されている
23ラグナLTはストッパーレスボディ。
逆転レバーからの汚れ侵入を防ぐことが出来ますので、防水・防塵性が心もとないエントリーモデルでは恩恵が大きいです。
ルアー全般で不要な機構なので、嬉しい要素の1つとして間違いないですね。
「レブロス、レガリス、フリームス、レグザ」はいずれも逆転レバーがついていますので、上位モデルとの差別化にもなっています。
ただし、価格帯の近いクレストやネクサーブもストッパーレスなので、ライバル機との差別化にはなりえないといった感じかな。
LTモデルのコスパ最強格
細かい云々はさておいて、23ラグナLTの最大ポイントはエントリーモデル最安ということ。
安さは正義という考えの方は一定数いますし、23ラグナLTは充分使えるレベル。
少しずつ認知されてきており、右肩登りで人気も上昇してきています。
ルアービギナーさんに限らず、「新しい釣りを始めるにあたって出費を控えたい」という考えであっても、23ラグナLTは大きな選択肢の1つ。
ハマってからリールを買い替えるにしても、お財布への負担は最小限で済みますからね。
ハイコスパモデルのレブロスやレガリスよりも遥かに安いので、価格による差別化は充分になされています。
23ラグナLTの悪い点
本項では23ラグナLTの悪い点について触れていきます。
基本性能にはある程度目を瞑るべきモデルですが、3点だけ気になる部分がありますので確認してください。
重量感は無視できない
基本性能に関して、エントリーモデルと大差はありません。
しかし、1点だけ明確に劣る部分がありまして、それが重量ですね。
これは看過しがたい部分で、レブロスより30グラム以上重いです。
私はチニング用途だったので、ズルビキやリフト&フォールが多く気になりませんでした。
しかし、ロッド操作が多い釣りではストレスを感じる部分だと思います。
特に手首でしゃくるエギングにおいて致命的ですね。
ロッド全体を動かすジャーキングやライトショアジギングならまだマシといったところでしょう。
ラインローラー周りでのトラブルは避けられない
2つ目の問題点はベールについて。
要するにワンピースベールではありません。
その結果、ラインローラー周りにラインが巻き付くトラブルが発生するようになってしまいました。
非ワンピースベールの上位モデルではライントラブルを防ぐ機構がありますが、23ラグナLTはそれがない。
本人の意識で防げるライントラブルではありますが、ビギナーさんが使うエントリーモデルだからこそワンピースベールであって欲しかったですね。
ハイギアモデルが存在しない
最後の問題点。
それはハイギアモデルが存在しないという事。
巻き取り長も、従来モデルと同基準です。
ハイギアモデルが主流となっているルアーフィッシングにおいて、ノーマルギアしかラインナップされていないというのは些か不親切ですね。
ハイギアが存在しない以上、番手をあげる事で巻き取り長をカバーするしかないです。
そういった視点も踏まえると、一番汎用性が高いのは4000Cとなります。
別リールとの比較
本項では価格帯の近いリールとの比較をします。
エントリーモデルの中から検討している方は参考にしてください。
20レブロスLTとの比較
従来のコスパ系LTモデルを代表する20レブロス。
基本性能はどっこいどっこいですが、ワンピースベールや重量感などにおいて20レブロスに分があります。
ただ、20レブロスLTは型落ちになってきた感が否めません。
そう遠くないうちにモデルチェンジも視野に入ってきました。
個人的にはコスパ重視なら23ラグナLT、性能重視なら23レガリスLTといった選び分けを推奨します。
価格的面で1.5倍ほども違いますが、重視以外は大差ないですからね。
23レガリスLTとの比較
23ラグナと同年リリースされた23レガリスLT。
正直なところ、23レガリスLTが進化しすぎて同じ土俵には立てないというのが本音評価ですね。
旧18レガリスLTと比較するなら一考の余地はありました…。
意図的なのか分かりませんが、両モデルのスプールはデザインも似通っています。
性能面で大きく差がありますが、価格差は倍近い。
ここは予算次第といったところでしょうか。
上を見ればキリがないですからね。。。
21ネクサーブとの比較
恐らく同じコンセプトで作られた両モデル。
共にストッパーレスで重量なども互角です。
個人的な選び分けとしてルアーは23ラグナLT、エサなら21ネクサーブがおすすめ。
何故なら、ドラグの効き方が決定的に違うからです。
要するにルアーフィッシングにおいては、23ラグナLTのATDドラグが優位に働く場面が多い。
アワセに慣れないビギナーさんであればATDドラグの食い込みがプラスに働きますし、調整が下手でもオートマチックに粘ってくれます。
強度が高いPEラインでのルアーフィッシング全般で有利だと感じますね。
逆に、21ネクサーブのドラグはシビアな釣りに強い。
良くも悪くもドラグが素直なので、しっかり調整は必要です。
繊細な釣りではラインが出てくれた方が助かるので、私は細ハリスでのチヌ釣りに使っていました。
以上から、ルアー用途のみで考えると23ラグナLT優位といったところですね。
どちらもハイコスパリールなので、メーカーの拘りで決めるのも良いと思います。
20クレストLTとの比較
価格帯の近い20クレストLT。
個人的には「何故、クレストを据え置いて23ラグナLTをラインナップしたのか?」と不思議に思っている部分でもあります。
20クレストLTが上回る部分は自重。
両モデルとも軽いとは言い難いですが、差別点の1つです。
2つめはハイギアモデルの有無について。
「どうしてもハイギアが良い」には20クレストLTが代替になるかと思います。
対して、23ラグナLTが上回る部分としては、ハンドルノブ。
20クレストLTはハンドルノブがプラスチックなんですよね…。
リーリングの多いルアーフィッシングにおいて割と致命点な所。
23ラグナLTはゴム素材のノブになっています。
更に、23ラグナLTはPEラインが標準装備。
一般的な4本編みのPEラインが1000円とすると、実際の価格面では23ラグナLTが大きく上回ります。
20クレストLTも少し型落ち感が出てきましたので、非ハイギアモデルで選ぶなら総合的に23ラグナLTに分があるといった感じかな。
23ラグナLTのおすすめ番手
本項では23ラグナLTのおすすめモデルを解説。
23ラグナLTには2000、2500、3000C、4000Cの4モデルがあります。
勿論、使いたいPEラインの番手で決めるのも良いでしょう。
しかしハイギアがない点を考えると、巻き替えを考慮してモデルを選んでおいた方が後々後悔せずに済みます。
全般的におすすめできるのは4000C
結論としては、4000番のコンパクトモデルが圧倒的におすすめ。
PEライン1号~1.5号を使う釣りであれば、4000Cにしておくべきです。
その理由は2つあります。
1つは巻き取り長が最大だからですね。
ハイギアがない以上、番手を大きくすることでしか巻き取り長をカバーすることが出来ないのです。
デイシーバスや青物用途であれば、4000C一択となります。
2つ目の理由は唯一のT字ノブだから。
中型魚以上を狙うのであれば、基本的にI時ノブよりT字ノブの方が扱いやすい。
23ラグナLTは4000番が唯一のT字ノブとなっています。
2500よりは3000Cがおすすめ
PE0.6~1号を使う場合は3000Cがおすすめです。
2500と3000Cの違いはスプールの大きさと、巻き取り長だけ。
そうなってきますと巻き取り長のある3000Cの方がルアー全般に向いています。
また、重量自体は変わりませんので、大は小を兼ねるという考えでも3000Cの方がおすすめ。
2500番は明確な意図が無ければ不要です。
例えば私の場合は、デッドスローでのナイトゲームが主だったので敢えて2500番にしました。
2000番に関しては、明確に用途が異なりますのでライトな釣りで選択すべき号数となりますね。
ただ、ライトな釣りはタックルの快適性がモロに響くので、23ラグナLTはおすすめしません。
まとめておきますと、最初から巻かれているPEラインの太さで選ぶのではなく、しっかりと用途に適した番手を選びましょうということだけ抑えてください。
まとめ
23ラグナLTは「予算を抑えたい方」や「ビギナーさんのルアーデビュー」としては、充分に検討の余地があるモデルです。
特にシーバスやチヌなど、早巻きを多用せず負荷もそこまで掛からない釣りに適しています。
少し足を延ばして太刀魚やフラット、中型青物がなんとか範囲内といったところ。
総括して、「お手軽なルアーフィッシング向けのエントリーモデル」というのが、私の23ラグナLTに対する評価になります。
これからルアーデビューする方にとって大きな選択となるでしょう。
本記事がそんな方たちの手助けとなれば嬉しく思います。