静岡県東部エリアでのシーバスフィッシングといえば、やはり狩野川。
かつて聖地とも呼ばれましたが、今の狩野川シーバスはどうでしょうか?
この回答としては、めちゃくちゃ難しいのが現状です。
私はもともと東京湾奥エリアでシーバスをやっていて、地元である伊豆に帰ってきてから狩野川シーバスをはじめました。
それから釣行を重ねて辿り着いた現実は、「東京湾奥河川でシーバス10匹釣るよりも、狩野川でシーバス1匹釣る方が難しい」ということ。
今でこそ狩野川で竿を出せば1コンタクトは貰える状態になりましたが、最初の1匹に辿り着くまでは相当長かったです。
ハッキリ言って、初心者さんがいきなり狩野川シーバスを始めれば99%挫折するレベル。
ちなみにGoogle検索での「狩野川シーバス」サジェスト1位は「狩野川シーバス 釣れない」です。
相当多くの方が苦戦している事実が伺えます。
さらにYouTubeはおろかSNSやブログでも狩野川シーバスの情報は少ないです。
また、狩野川で釣果を出している人の多くはメーカーと関わりがあったりして、要するにプロの人間なんですよね。
そんな人達ですらポンポンと釣果の出せないフィールドなわけでして、狩野川シーバスをコンスタントに釣るには相応の腕前が求められます。
前置きが長くなってしまいましたが、今回はビギナーさんに狩野川シーバスが釣れない原因と攻略法を解説していきたいと思います。
狩野川シーバスが釣れない原因
本項では狩野川シーバスが釣れない原因を順に解説していきます。
釣れない原因その1:シーバスの生息数が少ない
狩野川シーバスを難しくしている最も大きな原因は、生息数が少ないから。
シーバスがウヨウヨいる東京湾奥に比べ、駿河湾奥(沼津エリア)のシーバス生息数はかなり少ないです。
補足しておきますと静岡県中部~西部のサーフや河川には割とシーバスはいます。
一方で狩野川は大きな河川であるも関わず、シーバスの生息数が少ない。
これは明らかに、過去のブームによる乱獲の影響が残っていると私は考えています。
狩野川シーバスはランカーの聖地とも言われたりしていましたが、狩野川でもランカー自体そう頻繁に釣れるものでありません。
特に問題なのが40~60程度の一番釣りやすいレギュラーサイズが少ない事でしょうね。
我々一般アングラーにはかなり難しいフィールドであることは間違いないです。
加えて、狩野川は大河川にも関わらずシーバスの生息数が少ない。
要するにシーバスがいるエリアをピンポイントで探し当てる必要があるわけで、初心者にありがちな適当に投げて回遊待ちのスタイルではかなり厳しいです。
裏を返せば「狩野川シーバスが上手な人は推察力の高い人」と言えますね。
釣れない原因その2:クリアウォーターであること
沼津エリアの水質は基本的にドクリアです。
水が綺麗なのは環境的に良い事ですが、クリアウォーター故にシーバスがルアーを見切りやすいです。
さらに狩野川アングラー自体は割と多いので、シーバスは当然のようにスレていますね。
ドクリアでスレているとなると、やはり狙いはナイトゲームなのか。
残念ながらナイトでも難しいです。
何故なら狩野川河口エリアは常夜灯が多く、夜でもかなり明るいんですよね。
夜もシーバスがルアーを見やすい状況にありますので、ナイトゲームであってもそう簡単には釣らせてもらえないのが現実です。
ボーっとしながらミノーまいて釣れる程、甘くはないですね。
基本的にはペンシルやシャローランナーでのドリフトが主な戦術になってきます。
ただ、ドリフトの釣りは技術が求められるので万人は難しい。
シーバスの基本である、「ただ巻き」の釣りがなかなか通用しないのが難関だなと私は感じています。
ただし、こればっかりは河川なので仕方ない面もありますね。
釣れない原因その3:遠浅でアプローチが難しい
狩野川シーバスはブームの影響もあって、ウェーディングが有名です。
かくいう私もウェーディングでやっているわけですが、ショアからとなると問題点があります。
それは狩野川が遠浅であるという点ですね。
上の写真は干潮時の写真ですが、お分かりいただけるでしょう。
ウェブメディア等だと、「不動岩前」などがメジャーポイントとして紹介されています。
確かに、あそこは水深こそありますが、満潮付近だと流心から遠くなってアプローチは困難です。
しかも川幅が狭まっているので激流でもありますしね。
沼津港側はウェーディングしないと厳しいと考えてください。
要するに、ショアから狙うなら我入道側がメインとなります。
場荒れを防ぐため具体的なポイントは避けさせていただきます。
フィールド探索はあくまで自分の足で行なってください。
私は、自分の手で開拓して試行錯誤する事が釣りの醍醐味だと考えています。
一点だけアドバイスしておくと、口野放水路がメディアでポイントとして挙げられていますが、あそこの期待値は高くありません。
期待値的には周辺の漁港と同レベルなので、安定してシーバスがいる狩野川をおすすめします。
口野放水路はそもそも普段は河口としては機能していないんですよね。
「サッパ・コノシロ・ハク(イナッコ)」といったメインベイトが殆ど入りませんし、実際通年見かけません。
あくまでシャローエリアくらいに考えておいた方が良いでしょう。(そもそも口野周辺はドン深エリアで、シャローはトンネルに近い一部のみ)
狩野川シーバスの攻略法
本記事では狩野川シーバスの一般的な攻略法を解説します。
ピンな情報は言えないので、あくまで基本がメインになりますが、狩野川シーバスでは一層大事なので必ず抑えてください。
狩野川シーバスの攻略法1:濁りが入っている期間を狙う
シーバスを狙う上で、濁りは大事な要素の1つ。
程度にもよりますが、基本的には濁りが入っていた方が良いですね。
それ故に、濁りという要素は非常に大きいです。
時期的なものに加えて、やはり雨ですね。
狩野川シーバス=雨後狙いというのはド定番なので覚えておきましょう。
狩野川シーバスの攻略法2:明暗に囚われすぎない
これはショアからの経験則になりますが、狩野川シーバスでは明暗の釣りがイマイチ成立しにくいです。
単純に明暗のポイントは露骨すぎて叩かれすぎているという事もあるでしょう。
基本的には誰かしら攻めていますからね。
常に人が入っているような明暗であっても、基本的には釣れていません。
私の経験則では明暗から少し離れた場所で釣れる事の方が圧倒的に多かったです。
時期と潮周りが良ければ、明暗から少し外れた場所狙いで毎回2〜3匹くらいは釣れますよ。
狩野川シーバスの攻略法3:とにかくランガンする
狩野川はシーバスの数自体が少なく広大な為、シーバスがいるエリアをピンポイントで探し当てる必要があると説明しました。
ただ、私もピンポイントで探し当てることは苦手です。
では私たちのような下手くそがどう戦うか、やはり足で釣果を稼ぐしかありません。
活性の高い魚を探してランガンしていく形が良いでしょう。
通い詰める事で、反応が得られやすい位置のデータが得られます。
結果的にピンポイント狙いの択が増えて、釣果も得られやすくなるという事。
狩野川シーバスの攻略法4:ウェーディングで挑戦
狩野川において、ウェーディングの有無は釣果に大きな影響を与えます。
本気で狩野川シーバスを釣りたいと思うなら、迷わずウェーディングすべきですね。
シーバスタックルがあるならば、「ウェーダー、ライフジャケット、専用のタモ、フラッシャー」があればウェーディングは可能です。
コスパの良いものを選んでいけば、2万以内には収まるでしょう。
使わない&釣れないルアーを揃えるくらいなら、最初に揃えるべきアイテムだと思います。
ライフジャケットは他の釣りにも使えますし、なによりウェーディングは世界が広がりますよ。
私は以下のコスパ系装備を使用していますが、快適にウェーディングを楽しむことが出来ています。
狩野川シーバスの攻略法5:下げでエントリーする
狩野川シーバスの潮周りはやはり下げですね。
具体的には下げ○分に釣果が集中する傾向にありますので、通い詰めて探してみてください。
上げに関して、私は殆どエントリーしません。
河川でやるならば、下げの流れがないと難しいと私は考えています。
狩野川シーバスの攻略法6:表層で勝負する
潮位に合わせてシャローランナーやトップ系のルアーでアプローチすると、割と反応は得られます。
シャローエリアなので、必然的にそれらのルアーがメインにはなるかな。
水深のある河口部ならば選択肢は増えます。
初心者さん的には使えるルアーの幅が増えるので良いことかもしれません。
しかし、水深が増えるという事はシーバスのレンジも広がってしまいます。却って難しくしてしまう可能性は否めませんね。
狩野川シーバスおすすめのルアーに関しては後述しますので、ここでは一旦スルーします。
狩野川シーバスの攻略法7:フィールド把握とベイト探し
狩野川河口には「砂地、砂利、沼地」の3エリアがあります。
ちなみにフィールドの大半は砂地。
まずは一帯をランガンして、底質を把握する事から始めましょう。
勿論、「流れのヨレや駆け上がりの位置」など基本的な要素も忘れずに。
要するに変化を探しましょうということです。
クリアで分かりやすいので、日中に探索してみることを推奨。
沼津エリアはチヌが多いので、チニングついでに探して見ると良いかもしれません。
そして、エリアの把握ができたら次はベイト探し。
これは私の経験則になりますが、「砂地<砂利<沼地」の順で、ベイトがたまっている確率が高いです。
ただ、沼エリアはごく一部ですし、ウェーディングでランガンしないとまず見つかりません。
足が脛付近までズッポリ行くので、見つけても深入りしないように気をつけてください。
攻めづらい部分でもありますが、ベイトも溜まりやすく高確率でシーバスが定位しているので見つけたら攻めてみるべきですね。
狩野川シーバスの攻略法8:釣りやすい時期に通う
釣りやすい時期に通うというのも大事です。
最初から冬に通うのは色々な意味でハードすぎますからね。
狩野川シーバスが釣りやすい時期は圧倒的に秋。
アプローチがあっていれば何らかのコンタクトは貰えるはずです。
上流域の落鮎パターンが鉄板ですが、河口エリアのイナッコパターンでも充分に釣れますよ。
時点で釣りやすいのは春ですね。
稚鮎やハクパターンなので難しいですが、比較的釣りやすい時期にはなります。
夏はともかく、冬は難しいのでおすすめしません。
ウェーディングするにも厳しいですしね。
狩野川ではバチ抜けもありません。
夏の狩野川はどちらかというとマゴチやチヌ狙いの方がおすすめです。
他にも「ロックフィッシュ、シイラ、ショゴ、ソーダ」と夏の沼津エリアは釣りものが多い時期。
私はエサルアーに限らず色々な釣法をするので、シーバスは秋がメインです。
狩野川シーバスにおすすめのルアー3選
狩野川シーバスでおすすめのルアーを3つ紹介します。
扱いやすく狩野川で実績もあるルアーなので、デビューする方や釣れなくて悩んでいる方は参考にしてみてください。
陥りがちなミスとして、まだ釣れてもいないのに次々ルアーを買うのは絶対辞めましょう。
どれが正しいのか迷子になる気持ちは分かりますが、ルアーは使い込んでこそ真価が発揮できるようになります。
当然間違ったルアーを使うと釣れないので、まずは以下3つから始めていただければ間違いありません。
ビギナーおすすめルアー:邪道 スーサン
狩野川シーバスに初チャレンジするなら必須ルアー。
釣果ド安定なので、最初の1匹を得るにはこれから始めてください。
デイ&ナイトどっちでもOKですが、基本はナイト用となります。
スーサンの優秀な所は、下流側に投げてのただ巻きで釣れるという点。
つまりドリフトさせずに釣れるので、ビギナーさんにも最適です。
かつてスーサンで狩野川シーバスを釣りまくっている方がいました。
それを真似して私も使用しはじめたのですが、スーサンを使ってボウズになる事は殆どなくなりましたね。もはや御守りみたいなものです。
兄弟に「チョーサン・ニーサン」という派生ルアーがありますが、私としてはスーサンだけでOK!
兄弟ルアーは個人的に必要性を感じませんでした。
写真一番上の小粒で黒目なのが、スーサンになります。(買い間違え注意)
スーサンでは釣るサイズが選べないのでセイゴ〜フッコサイズメインになりますが、狩野川シーバスですら数釣りが楽しめてしまいますよ。
しかも、数打てば当たる戦法のおかげで、たまに良型も混ざる感じ。
大型狙いには不向きですが、最初の足掛かりとしては最高のルアーだと思います。
せっかく狩野川シーバスに興味を持ったのに5回や10回ボウズで挫折。
挙句の果てにはタックルを黄色いお店に売却…なんて勿体ないじゃないですか。
まずはセイゴでもなんでも、「狩野川シーバスは釣れるんだ」という経験を積むことが重要なんです。
釣りはイメージの世界なので、釣れないイメージが出来てしまったら心が折れるのは早いですから。
話を戻しまして、狩野川デビューする方や釣れずに苦戦している方、まずはスーサンを使ってファーストフィッシュを狙ってみてください。
スーサンで1匹を釣ることは本当に簡単です。
肝心の使い方はデッドスローをメインに、使い慣れてきたら連続トゥイッチがおすすめ。
デイおすすめルアー:コアマン RJ7
シーバスルアーで圧倒的なシェアを誇るコアマンのVJシリーズ。
しかし、VJシリーズは重量があってシャローエリアでは使えないという欠点がありました。
そこで河川でも使えるのが、RJシリーズ。
ローリングアクションでVJシリーズよりも口を使わせやすくなっており、河川のスレシーバスにより特化しています。
写真にてVJと比較すると上側のツインフックで根掛かりしにくくなっており、ボトムコンタクトも安心です。
狩野川でウェーディングしていると、沈んだロープや流木にルアーがびっしり付いているのを度々見ますからね…。
3サイズありますが狩野川で使うなら7gがおすすめとなります。
RJの良い所はスピーディーに探れるという点と、ただ巻きで釣れるという点。
狩野川はシーバスが少ないので広範囲に探るなら気づいてもらう必要があります。
さらに、クリアウォーターなので見切らせてはならない。
この2点が顕著なデイゲームでは、やはりシャッドテールのワームは強いですよ。
河口エリアと言いましたが、より具体的には海との境目エリアを狙うのに最適です。
不動岩前など落ち込んでいるポイントを探るにも良い。
勿論、シャローエリアであっても、ロッドを立てる事でボトムに擦れずテンポよく探っていけます。
ナイトおすすめルアー:メガバス カゲロウ100F&124F
私から断言できることは、「狩野川シーバスが上手い人=ドリフトの達人」であるということ。
そして、ドリフト向けシャローランナーのスタンダードと呼べるのがメガバスのカゲロウ。
河川シーバスではド定番の超人気ルアーです。
サイズ展開が複数ありますが、まずは小粒で食わせやすいカゲロウ100Fから使い始めるのがおすすめ。
秋の落ち鮎パターンになるとカゲロウ124Fサイズ必要になってきますので、この2種は必ず揃えておきたいルアーですね。
使い方は上流側に投げて糸フケをとるようにデッドスロー(ドリフト)。
つの字で弧を描いた際に、ふらつくタイミングがバイトチャンスとなります。
特にボイルが発生している際は、ポイントにカゲロウを流し込めばかなりの確率でバイトが得られますね。
ただ、カゲロウは転売ヤーの餌食になっており、通販ではプレミア価格になってしまっています。
代替になるのは、momoルアーの影武者ですね。
本家より安い上、入手困難なレッドヘッドも手に入ります。
性能に関しても本家に迫っており、BKKフック搭載でフックも文句なし。
こういった模倣品はあまり紹介したくないのですが、メーカーの生産が間に合ってないので仕方ありません。
本家が欲しい方は釣具屋の入荷情報を常々チェックしておきましょう…。(転売価格で買っちゃダメ!)
まとめ
今回は狩野川シーバスが釣れない原因と攻略法を解説しました。
2024年3月の狩野川では既にハクパターンが始まっており、バッコンバッコンやっていますよ。
私もまだまだ修行の身にありますので、今年も通って腕を磨きたいと思います。
難関の狩野川シーバスですが、近年セイゴサイズが増えてきてシーバス自体は増加傾向にあるとも感じています。
過去と同じ過ちを繰り返さないためにも、キャッチ&リリースでシーバスフィッシングを楽しんでいきましょう。
最後に私からのお願いですが、ウェーディングアングラーするなら必ずライフジャケットとフラッシャーをつけてください。
視界の悪いナイトゲームにおいて非常に危険ですので、基本装備の徹底をよろしくお願いいたします。
ウェーディングにおすすめのフラッシャーについては下記記事で解説していますので、併せて参考にしてみて下さい。