こんにちは伊豆釣り.comです。
今回は紀州釣り師の私が、おすすめのロッドを紹介します。
紀州釣りの竿で迷っている方にまず知っていただきたいのが、「紀州釣りのロッド選びは難しい」ということです。
何故なら、紀州釣りには専用ロッドが存在しないからですね。
紀州釣りでは柔らかめの磯竿やチヌ竿を使いますが、それらは紀州釣りを想定して作られていません。
つまり紀州釣りにおいてのロッド選びは、単純なグレードだけで良し悪しを判断できないということ。
紀州釣りに向いた調子のモデルを選ぶ必要があります。
しかし、ビギナーさんにいきなりその判断を委ねるのは酷でしかありません。
そこで今回は紀州釣りの竿を、「エントリー・ミドル・ハイエンド」の3つに大別し、私の実釣経験を元に、厳選したロッドを各3本ずつ紹介していきたいと思います。
よくある適当なロッドの羅列ではありませんので、紀州釣りのロッド選びで迷っている方は参考にしていただければ幸いです。
エントリーモデルの紀州釣り竿
初めて紀州釣りに挑戦する方や、ちょっと本格的なロッドが欲しい方に向けて、エントリーモデルでおすすめの竿を紹介します。
紀州釣りでは「磯竿・チヌ竿」の2種類が選択肢になり、0.6号~1号が大まかなセオリーです。
堤防や漁港などオープンな場所がメインとなる場合、上記の範囲内であれば失敗する事はありません。
しかし、エントリーモデルからロッド選びする場合、一般的には磯竿1.5号が選択肢となります。
何故なら、エントリーモデルの磯竿は1.5号までしかラインナップされていない事が多いからですね。
チヌ竿はエントリーモデルであっても2万円近いモデルが多く、予算を抑えると必然的に磯竿1.5号が主な選択肢になるというワケです。
ただ、一部例外もありますので、玄人嗜好の方に向けてそういったモデルも紹介します。
1.5号の制限にとらわれないエントリーモデルや、安価なチヌ竿もちゃんと存在しますので、ご安心くださいませ。
ロッドの長さに関しては4.5mと5.3mの2種類。
もちろん長いロッドが使えるに越したことはありませんが、紀州釣りはダンゴを手や杓で投げますので、竿の長さで大きく釣果が変わる事はありません。
磯竿の扱いに慣れていない方や、紀州釣りが初めての方であれば4.5mも考慮の余地があります。
本記事では将来性を考えて5.3mのみをおすすめいたしますが、最初から快適に紀州釣りをしたい方は4.5mも検討してみてくださいね。
本項では出費を抑えつつも長く使えるロッドが欲しい方の為に、間違いのないエントリーモデルのロッドを3本紹介させていただきます。
ダイワリバティクラブ 磯風
磯竿自体が初めての方にはダイワのリバティクラブ磯風がおすすめ。
私は実際にリバティクラブ磯風の「2,3,4号」を所持しておりますが、エントリーモデルの中では性能が一歩抜きでておりコスパ最強だと感じております。
紀州釣りは穂先にハリがあるロッドが適していますが、エントリーモデルで唯一フルカーボンのリバティクラブ磯風は操作性がピカイチ。
尚且つ、上位モデルのようにパツパツではないおかげで、硬めの号数であっても比較的タメが効くロッドなんですよね。
冒頭の「単純なグレードだけで良し悪しを判断できない」を体現したロッドで、紀州釣りでも扱いやすいモデルです。
号数に関しては、下限である1.5号が最適になります。
前述の通り、バッドまで曲がりやすく粘りがあるモデルなので、本来は強めの1.5号でもオーバーパワーにはなりません。
2号という選択肢もありますが、「紀州釣りはおまけ」という考えの方以外は必ず1.5号にしてください。
実際にリバティクラブ磯風2号を紀州釣りで使えるか検証したことがありますが、40以下のチヌだとオーバースペックでした。
リバティクラブ磯風の基本的な性能に関してはこちらの記事で解説しております。
3号遠投モデルのインプレ記事にはなりますが、同じシリーズなので参考になる部分も多いかと思います。
シリーズ通して磯竿デビューには間違いのない1本です。
宇崎日新 波動チヌ
紀州釣りの醍醐味の1つは、ロッドを弓のように曲げてチヌの引きを堪能することです。
そうなってきますと、胴調子のチヌ竿の方が最適。
実際、紀州釣り師のほとんどはチヌ竿を使って紀州釣りをしていますね。
ただし、1つだけ注意点があります。
紀州釣りではロッドでラインメンディングを行う為、操作性に関しては先調子である磯竿の方が適しているという事です。
慣れればチヌ竿での紀州釣りも問題ありませんが、磯竿経験のない方がいきなりチヌ竿を扱うのはおすすめしません。
まず磯竿での紀州釣りに慣れてから、ステップアップしていきましょう。
そして磯竿の経験がある方におすすめなのが、宇崎日新の波動チヌ。
チヌ竿の中では圧倒的なコスパを誇り、予算を抑えつつチヌ竿を使いたい方には最適です。
そして驚くべきは値段を遥かに上回るスペックの高さです。
宇崎日新の強みであるエントリーモデルへのオールSICガイド&滑り止めの搭載。
なにより全チヌ竿の中でも軽さを誇ります。
ハイエンドモデルよりも遥かに軽く、これが本モデル独自の強みですね。
そんな波動チヌの特徴は、号数によって調子が大きく違うという事です。
1号は先調子、0.8号は胴調子となっている為、自由度が高く自分のスタイルに合わせられます。
せっかくチヌ竿を選ぶのであれば0.8号がおすすめ。
ロッドを”つの字”に曲げこむ楽しみはチヌ竿でしか味わえず、1度知ったらやみつきになりますよ。
また、「磯竿経験はないけど最初からチヌ竿が欲しい!」という方なら1号を選ぶことによって、操作性と曲げを両立させることもできます。
少し背伸びをしたい方にはおすすめですね。
宇崎日新 プロスペックISO
「とりあえず磯竿を使いたいけど、柔らかい号数でヒキも堪能したい!」という方におすすめなのが、宇崎日新のプロスペックISO。
本モデルはカーボン比率が低めですが、滑り止め防止やオールSICガイドなど大手メーカーとは違った強みがあります。
そして、大手メーカーのエントリーモデルにはない唯一の特徴。
それは0.8~1号の柔らかい号数がラインナップされているということです。
エントリーモデルの磯竿の中で、紀州釣りに適した号数を選ぶなら本モデルが間違いありません。
0.8号と1号の選び分けになりますが、堤防や波止だけなら0.8号でOK!
磯竿はパワーがありますので0.8号でも充分です。
一方でテトラ帯や、根があるフィールドなら1号がおすすめです。
チヌに主導権を渡さずに誘導する事が出来ます。
紀州釣りが初めてで、これから釣り場を探しを始める方であっても1号が安牌でしょう。
ミドルモデルの紀州釣り竿
次はミドルモデルからおすすめを3つ紹介します。
別の釣法に慣れている方や、磯竿の経験がある方であればミドルモデルが最適。
本来、紀州釣りではラインテンションを抜いた状態が多い為、ティップ絡みのトラブルは絶対に避けられません。
絡んだ状態でダンゴを投げると空中分解して一投無駄になってしまいますし、穂先へ大きな負荷が掛かってしまいます。
紀州釣り師ならば、誰もが避けたいトラブルの1つです。
しかし、ミドルモデルからはIMガイドなどが搭載され、こういった面倒なトラブルが激減。
ティップ絡みが起こったとしてもラインを巻くことで勝手に解消されるので、わざわざ穂先まで手を伸ばして解く必要もありません。
ガイド合わせマークや重量といった「快適性」も大幅強化され、トラブルレスで快適に紀州釣りを楽しめるようになりますね。
紀州釣りが初めてであっても、予算に余裕がある方はミドルモデル以上から選ぶことを強くおすすめします。
ダイワ 銀狼
ダイワのチヌ竿ブランド「銀狼」のスタンダードモデル。
銀狼シリーズの中ではエントリーにあたりますが、全体的な価格と技術的にはミドルモデルです。
結論を言ってしまうと、私がミドルモデルから選ぶならコレ一択。
理由は2つあります。
1つ目の理由は紀州釣りに最適な調子であるということ。
銀狼シリーズには上位モデルが複数ありますが、紀州釣りにおいては本モデルが一番適しています。
一般的に、紀州釣りでは操作性の良い先調子のロッドが良いとされており、これが磯竿を選ぶ主な理由でもあります。
紀州釣りはロッド操作でラインメンディングを行う為、チヌ竿のようにペナペナだと操作性が悪いからです。
一方で、やり取りになるとチヌ竿のような胴調子が最適。
近くでチヌが掛かって下に突っ込みますので、ロッドを曲げこんでタメが効く方が有利なんですよね。
まとめると、操作性は磯竿有利でやり取りはチヌ竿が有利。
これは矛盾しており、どうしようもなく困りましたね。
しかし!
無印の銀狼はシャキッとしていながらも、チヌが掛かると胴まで曲がる2面性を併せ持っているんです。
ミドルモデルにおいて、ここまで最適な調子のロッドは他にありません。
2つめの理由。
それは銀狼が最近モデルチェンジしたからです。
前モデルにはなかったガイド合わせマークが搭載され、リールの固定がスクリュータイプになりました。
従来のリールシートだとヌカ汚れが溝にこびりついて取りにくかったんですよね。
これらの不満点が改善されることで、紀州釣りにはこれ以上なく盤石なモデルに進化したと思います。
私は前モデルの銀狼を紀州釣りで愛用していましたが、今年からはニューモデルで更にやり込む予定です。
シャキッとして復元力の高いロッドなので、0.6号がオールマイティに使えておすすめとなります。
個人的には堤防や波止に限れば0号も良いと感じました。
宇崎日新 イングラム稲穂
チヌの引きをとにかく楽しみたい方におすすめなのが、宇崎日新のイングラム稲穂。
紀州釣りは上手な人ほど柔らかい号数にいく傾向があり、0号や00号を使いこなします。
竿が柔らかいと弓が満月のように曲がって注目を浴びますし、なにより使ってて楽しいのですよね。
極端に柔らかいと取り込み時間がかかりますが、細いハリスでもラインブレイクしにくくなるのでキャッチ率自体は上がります。(オープンエリアに限る)
そして、ミドルモデルで柔らかさに長けたチヌ竿が宇崎日新のイングラム稲穂。
全シリーズ通して随一の柔らかさを誇るモデルですね。
チヌ釣りの醍醐味はやり取りを楽しむことだと思っておりますので、オープンエリアで面白さ重視の方に強くおすすめします。
ダイワ インプレッサIL(インターラインモデル)
紀州釣りではインターラインのロッドが操作性抜群。
トラブルの元凶である穂先絡みのリスクがなくなりますので、快適性という面では間違いありません。
インターラインモデルはトラブりたくない安全志向の方に向いていますね。
そんな方にお勧めなのがダイワのインプレッサIL。
磯竿の扱いに不慣れなビギナーさんが背伸びをするなら、インターラインモデルが実用性も高くおすすめです。
せっかく上位モデルを買ったのに、扱いが未熟ゆえに穂先折れでもしたら不憫ですから…。
インプレッサの人気は「通常、遠投、両軸、インターライン」といったラインナップの幅広さからも伺えます。
ちなみに私は遠投モデルを所持しており、リバティクラブ磯風に比べてバッドパワーや曲がり込みと言った基本性能の差を大きく感じていますね。
下位モデルにはリーガルILというインターラインロッドもありますが、今回は実釣経験からインプレッサILを勧めさせていただきました。
低予算でインターラインモデルにしたい方は、リーガルも検討の余地があると思います。
ハイエンドモデルの紀州釣り竿
最後はハイエンドモデルの紹介。
本来の紀州釣りは手軽に楽しめる釣りですが、実際の釣り場ではハイエンドモデルを使っている方はかなり多いです。
紀州釣りでは頻繁にロッドを曲げこむことになりますし、ロッドでのライン操作も多い。
また、細いハリスを扱ったり、不意の大型とのやり取りも少なくありませんので、ロッドの性能が釣果に影響を及ぼす事は間違いなくあるんですよね。
チヌ釣りではドラグを多用しませんので、やり取りはロッドに大きく依存しています。
要するに、ロッドの重要性はリールよりも遥かに大きいということ。
そう考えるとロッドは高性能であるに越した事はありません。
ただし1つ注意点がありまして、高級なチヌ竿はしなやかで柔らかいモデルが非常に多いです。
つまり”ハイエンドだから紀州釣りにも良いわけではない”という傾向が大きいので、適当に選ばないようにご注意ください。
がまかつ チヌ競技スペシャルⅣ
ベテランからの圧倒的な支持を誇る、がまかつロッド。
その中でもチヌ競技スペシャルⅣは紀州釣りに適した調子となっています。
同社のマスターモデルⅡやチヌスペシャル黒冴といったモデルよりも、ロッドのハリが強めで適度な胴調子になっているからですね。
ミドルモデルで銀狼を紹介しましたが、銀狼の調子をハイエンドにした感じといえば分かりやすいでしょうか。
要するに、適度にハリがありつつもチヌがかかると曲がり込むという、紀州釣りに適した二面性を併せ持っています。
私のフィールドですとベテラン紀州釣り師の多くが、チヌ競技スペシャルⅣを使っていますね。
高弾性で復元力の高いロッドなので、少し柔らかめが基準になります。
具体的な号数に関しては0.6号をベースに、やり取り重視なら0号といった形で間違いありません。
釣武者 ダンプリングオウガ
釣武者から発売されている、紀州釣り専用モデルのロッドです。
専用モデルという事で、ハリがありつつも胴調子といった紀州釣りに最適な調子になっています。
これまでのチヌ竿は紀州釣りに適したモデルを選び抜くという形でしたが、こちらは専用モデルなので実釣性能はお墨付き。
号数表記がないモデルですが、実際の硬さに換算すると0.6~0.8号程度でスタンダードな感じです。
柔らかいロッドで楽しむというよりかは、実直に釣果を追い求めていきたい人向けかな。
紀州釣りを極めたい方には間違いのないロッドになっています。
しかし、本ロッド唯一のデメリットは流通量が少なすぎるという事でしょうか…。
興味のある方は探してみてください。
シマノ 鱗海スペシャル
私のフィールドではチヌスペシャルⅣについで人気の高いロッドです。
穂先のしなやかさが抜群に長けており、尚且つシャキッとした調子のロッド。
紀州釣りをやり込んだ方が最適なロッドを選ぶとなると、やはりこういった調子のロッドに辿り着きますね。
ちなみに、ダイワのハイエンドチヌ竿はガッツリ胴調子のモデルが多いので、大手2メーカーから選ぶならシマノの鱗海スペシャルがおすすめです。
特に0号や00号といった軟調モデルを選ぶのであれば、元々シャキッとした鱗海スペシャルだからこそ、紀州釣りに最適な使用感を感じられると思います。
ガッツリ曲げてヒキも堪能したいけど、竿を伸されて主導権を取られたくないという方におすすめ。
同価格帯の軟調ロッドと違い、柔らかいだけでなくパワー面でのプラスアルファを望めます。
まとめ
今回は紀州釣りに適したロッドを紹介しました。
中でも私のイチオシは無印の銀狼0.6-53ですね。
紀州釣りに適した特性を持つロッドの中では最もコスパが良く、IMガイドも搭載されているので長く使っていけますよ。
何より、モデルチェンジ直後というところが魅力的。
新しいロッドを買って翌年モデルチェンジって結構やるせないですからね。
もうすぐノッコミシーズンが始まりますので、今年はニューモデルも使い込んでみようと思います。
ビギナーさんは1号~1.5号の磯竿からチャレンジして、「もっとやりこみたい!」となったら柔らかい号数やチヌ竿に挑戦すると良いでしょう。
ロッド全般から見たら1号~1.5号も充分柔らかい号数になりますので、扱いに慣れるには丁度良い硬さかと思います。
当サイトでは今後も紀州釣りの記事を充実させていきます。
シーズンまでには一通り記事を書き上げる予定ですので、ふと思い出したら遊びに来ていただければ幸いです。