こんにちは伊豆釣り.comです。
今回はダイワ21カルディアのガチインプレッション!
発売日から約3年間使い込んできましたので、カルディアヘビーユーザーとしてフラットな目線で評価していきたいと思います。
実際に所持している番手と用途は、「4000cxh/青物・シーバス」、「FC2000s/ライトゲーム」、「FC1000s/エリアトラウト」の計3台です。
特に4000番は事前予約から数百回は使ってきましたので、長期的な視点でのインプレが出来るかと思います。
21カルディアLTの特徴とざっくり評価
21カルディアLTのざっくり評価は以下の通り
剛性:★★★★☆
軽さ:★★★☆☆
巻き感:★★★★☆
パワー:★★★★☆
ドラグ性能:★★★☆☆
コスパ:★★★★★
カルディアはショア用途全般に高い適性を持つリール。
パワー・巻き・軽量性・剛性・コスパなどあらゆる点において、高水準を誇ります。
この「汎用性」が21カルディア最大の特徴と言って間違いありません。
元々人気の高かったカルディアシリーズですが、21モデルではモノコックボディによる大口径ギアの搭載と、ZAION V素材による剛性面の進化がウリ。
マグシールドやねじ込みハンドルなどの基本要素も踏襲されており、あらゆる点において隙のない汎用リールです。
何でもこなせるオールラウンドな使用感
使い倒してみた第1感想としては、非常にバーサタイルなリール。
青物・ロックフィッシュなどのハードな釣りもこなせますし、アジングやエリアトラウトといった繊細に釣りも充分対応しています。
これはFCモデル(軽量特化モデル)の存在が大きいですね。
快適を釣りするための技術は全て搭載されていますので、「必要十分」という言葉が1番似合うリール。
どのスピニングリールよりも性能とコスパのバランスに優れていると感じました。
下位リールにはレブロスやレガリスなどの人気リールがありますが、これらは実釣に伴う性能低下が目立ち、長期間快適に使用する事は出来ません。
カルディアは3年使っても潰してしまうことがありませんでしたので、長期使用できるという点で、エントリーモデルとは明確に差別化が出来ていると思います。
今年の青物シーズンでもバッチリ現役ですからね。
安いリールは青物数匹かけただけでゴリゴリになってしまいますので、真の意味でコスパに優れたリールが21カルディアだと思います。
コスパNo1の堅牢モノコックボディ
「モノコックボディとはなんぞや?」という方へ簡単に説明します。
モノコックボディとは、ボディ+カバーで設計されていた従来のリールを、ボディ単体のみで構築したもの。
一体成型構造なんて呼ばれています。
一体成型になっている恩恵としては「剛性・防水性」の向上。
そして、ボディ内部のスペースが広くなった事で、大口径のギアが搭載可能というメリットがあります。
モノコックボディを獲得した21カルディアにも大口径のギアが搭載されており、これによって巻き取りパワーが大幅アップ。
大口径ギアの存在を感じさせるボディの外観も非常にカッコ良く仕上がっています。
モノコックボディがもっと手軽に
これまでモノコックボディ搭載の最安リールは20ルビアスでした。
しかし、21カルディアの登場によってモノコックボディの実売価格が約1万円も下がったんですよね。
手を出しやすい価格帯にモノコックボディが搭載された事で、「少し良いリールが欲しいビギナーさん」や、「様々な釣りをするマルチアングラー」には非常に良い影響を及ぼしたと思います。
私も実際3台揃えてしまっています。
2万円弱なので躊躇わず購入できますし、実釣では充分な性能もあり後悔も全くありませんでした。
ただし、カルディアとルビアスには「巻きと軽さ」で明確に差があることも事実。
記事の後半で価格帯の近いリールとの比較もしますので、興味のある方は参考にしてください。
ZAION Vの剛性面は実際どうだったのか?
「ZAION Vとはまたなんぞや?」という方へ簡単に説明します。
ZAION Vとは従来の樹脂素材よりも、軽くて剛性のある新素材。
安価でありながらも、ワンランク上のザイオンに迫る軽量性と剛性を兼ね備えていることが特徴です。
(21カルディアはボディとエアローターがZAION V素材)
同時発売の21フリームス&21カルディアで新しく登場した素材でもあり、これが両リールのウリとされていました。
釣具屋に各素材での板が展示されていて、比べた方も多いのではないでしょうか。
「ZAION Vはこの3年間で実用に耐えうるレベルだったのか?」
結論としては全く問題ありませんでした。
ワラサがスレがかりしてしまった際や、10キロクラスの巨エイがかかっても問題なく寄せてこれますので、ザイオンV&モノコックボディの剛性は実釣に耐えうるレベルだと思います。
21カルディアLTの良い点
21カルディアを使って良いと感じた点は以下の通り。
ただ巻きの釣りが真骨頂
充分な剛性と軽量性
高級感のある黒金デザイン
21カルディアの良い点は、コスパと汎用性に集約されています。
強いて言うならば「目立った悪さがない点が良い所」って感じなんですよね。
そして、必要最低限を満たしたリールの中では、1番コスパが良い。
抽象的な表現は難しいので、実釣経験を元に語っていきたいと思います。
ただ巻きの釣りが真骨頂
21カルディアはただ巻きで真価を発揮するリールです。
何故ならば、大口径ギアによって巻き取り力に長けているから。
特に巻き出し後の安定感が抜群なんですよね。
負荷の大きさに関わらず、ただ巻き全般を得意としています。
そして、ただ巻きが重要な釣りと言えば、やはり「シーバス」!
シーバス用途であればリールへの負荷も中程度ですし、極端に軽量性や巻き感が必要なわけでもありません。
ミノーやバイブもグリグリ巻いてこれますし、潮目を通過した際などに起こるリーリングの変化もバッチリ感じることが出来ます。
また、巻きが軽すぎない為、「スプーン、ジグ単、シンペン」といった巻き抵抗の軽いルアーでも一定のただ巻きを維持しやすいです。
実際にエリアトラウトでのスプーニングもカルディアでこなしています。
1グラムを下回る軽いスプールの巻きは通常ブレがちですが、カルディアなら等速のただ巻きを維持しやすいですね。
剛性については事項で解説しますが、FCモデルにも不意の大型トラウトに充分な剛性があります。
充分な剛性と軽量性
モノコックボディとザイオンVの恩恵もあり、番手に見合った剛性は間違いなく担保されています。
少なくとも想定されている用途の釣りでは、剛性面で不満を感じることはないでしょう。
ライトショアジギングやロックフィッシュといった負荷をかける釣りも問題ないですね。
実際に4000番では青物を100匹以上は釣っていますが、3年経ってもゴリシャリ感や不調は一切ありません。
最小の1000番においても、トラウト1000匹以上、F1や大型ニジマスも数多く釣っていますがこちらも不調なし。
今年の青物シーズンでは良型メジマグロを掛け、ブリ族とは比較にならない暴力的なヒキをしっかり受け止めてキャッチすることが出来ました。
(※メジマグロは水産庁の採捕規制に準じリリースいたしました。魚体にダメージを与えないようラバーネットを用いて、最低限の撮影で手早くリリースしています。)
ただし、ドラグフルロックでのゴリ巻きにはやはり剛性不足ですね。
磯などで一切走らせず寄せるような釣り方には、メタルボディのリールを強くおすすめします。
軽量性についてはそこそこと言った感じ。
ライトゲームやエリアトラウト用途であっても、ストレスにはならないレベルです。
実釣面で問題はないものの、ハイエンドリールに比べるとそれなりの重量差はありますね。
その代わり、少し重めの竿であっても先重りすることがなく、ミドルモデルまでのロッドと合わせる分には丁度良い塩梅だと思います。
高級感のある黒金デザイン
個人の好みにはなりますが、シックで高級感のある黒金デザイン。
見た目は全リールの中でも最上位クラスといってもいいくらいカッコイイですね。
ブラックを基調としたシックな黒金カラーで高級感があり、スプールの肉抜きも秀逸。
私がカルディアを使っている理由も、見た目が半分といっても過言ではありません。
ハイエンドリールにはシルバーやグレーが多い中、黒金デザインでカッコ良いリールは貴重です。
この記事を読んでいる方も、少なからず見た目に好印象を抱いたから検討しているのではないでしょうか?
「黒金は成金カラーだ」と揶揄する人もいますが、同じ黒金リールであるレガリスと比較すると、そこまで嫌味っぽいカラーリングではないと私は感じます。
あくまでブラックが基調になっており、ゴールドは差し色、ワンアクセントでしかありません。
主張しすぎない感じがまたイイ…。
ダイワの竿とだいたいマッチする
黒金カラーは見た目的にもマッチするロッドが多く、これもメリットの1つですね。
中でもシーバスロッドの「シーバス•ラテオ」は見た目的にも相性抜群で、コスパと性能を両立させたいユーザーにはおすすめできる組み合わせです。
私はカルディア4000cxhとラテオ96Mをあわせ買いして、3年間青物・シーバスで使用。
ラテオはしなやかさに長けた竿なので、いなして獲るファイトを得意としています。
一方、カルディアは適度に走らせて獲る使い方に適しておりますので、相性が良いと言いますか、スタイルに一貫性が取れているんですよね。
シーバスは勿論の事、青物のライトショアジギングやプラッキングもOK。
タチウオやロックフィッシュなどもこなしていますので、汎用性抜群の組み合わせです。
リールとロッドは性能が釣りあっていないと、片方がボトルネックになり良さを活かせませんので、カルディアはミドルモデル以上のロッドを合わせてあげたいところですね。
21カルディアLTの悪い点
23カルディアに目立った悪い点は、ぶっちゃけありません。
それがカルディアの良いところですからね。
しかし、強いて言うとするならば、「快適性」でしょうね。
良くも悪くも必要充分なので、上位モデルとは明確に差があります。
より具体的には以下の通り。
静⇄動のリーリングでは巻き出しの重さがネック
シビアな釣りではドラグ性能に物足りなさを感じる
あまりにも番手に不釣り合いの大物は厳しい
静⇄動のリーリングでは巻き出しの重さがネック
20ルビアスと比較すると、巻き出しの重さが気になります。
これについては理解の上で、4000番手では気になりませんでした。
しかし、エリアトラウトでのボトムプラグだけは明確にストレスを感じます。
特にボトムをズッズッとズル引きさせるようなデジ巻きですね。
静⇔動のリーリングがハイピッチで求められる場面では、操作感が怠いです。
以上から、エリアトラウトのボトムプラグにはカルディアを使用していません。
青物・シーバス用途でのストップアンドゴーは全く問題ありませんので、ソルト用途であれば基本ストレスフリーです。
「エリアトラウトのデジマキは不向き」
これだけはピンポイントで覚えておいてください。
シビアな釣りではドラグ性能に物足りなさを感じる
ベアリングが入っていない為、ドラグの滑り出しが少し遅いです。
これにはATDの特性も相まっており、青物やシーバスではしっかりフッキング出来るため、プラスに働く事が多いですね。
しかし、アジングやエリアトラウトなどエステルラインでの釣りではヒヤッとする場面が多々ありって感じ。
ドラグズルズルにしておいても、一瞬食い込む感じがあります。
特に0.3号のエステルタックルだと、ラインブレイクのリスクがあります。
その為、カルディアでエステルラインを使う際は、最低でも0.4号を使うようにしていますね。
総合すると、「超シビアな釣りは厳しい」といった感じでしょうか。
カルディアで繊細な釣りをするなら、ベアリング追加を検討した方が良いと思います。
トーナメントレベルまで求めてしまいますと、やはりハイエンドリールは必要ですね。
総括すると、カルディアでは余裕を持たせたタックルセッティングを心掛けましょう。
FCモデルでは番手に不釣り合いの大物が厳しい
先ほど必要充分な剛性はあると述べましたが、あくまで想定内の話です。
番手に対して明らかに不釣り合いな魚種が掛かってしまうと、話が変わってきます。
特にFCモデルの場合は、ボディが小さいので剛性面に大きな余裕がありません。
それを実感したのが、2000番のライトゲームでデカイヒラスズキが掛かった時。
アジングロッドだったので竿が完全に伸されてしまい、リールのパワーでやり取りするしかなかったんですよね。
後日、カルディアに多少のコロコロ感が出るようになってしまいました。
この事から、使用番手を大きく超過するような大物が掛かった場合、カルディアではダメージを受けてしまう可能性が高いです。
どのようなリールにも限界値はあると思いますが、メタルボディやハイエンドリールに比べると過剰な負荷には耐えれないですね。
大抵の場合はラインが先に切れるとは思いますが、「この番手では明らかに役不足だろ…」みたいな状況で無理をしないように気をつけてください。
別リールとの比較
ダイワリール製で価格帯の近いリールと比較していきます。
所持していないため比較できないリールもありますが、ミドルモデル前後から検討している方は参考にしていただけたら幸いです。
20ルビアスとの比較
21カルディアの1つ上位に位置する20ルビアス。
モノコックボディはカルディアと同じですが、ザイオン素材によって大きく差別化されており、軽量性と巻きにおいては大きな差があります。
この軽快さがモロに出るのはライト方面の釣りですね。
アジングやエリアトラウトで予算のある場合、少し奮発して20ルビアスがおすすめ。
一方、剛性面と巻き上げトルクにおいては大きな差を感じませんので、堤防やサーフ・河口での使用ならカルディアで充分だと思います。
そして、カルディアでは剛性が足りないハードな釣りの場合、ルビアスにするよりもレグザやブラストなどのメタルボディリールにした方が賢明です。
23レガリスとの比較
カルディアの2つ下位に位置するレガリス。
最近モデルチェンジして性能を大きく伸ばしました。
剛性面を除くと、カルディアに匹敵しうる初期性能です。
しかしあくまで初期性能の話、レガリスは負荷をかけて使うと性能低下が激しいんですよね。
青物・シーバス用途であれば、絶対にカルディアの方が良いです。
特に青物だとレガリスは使い潰すような使い方になりますので、長い目で見るとカルディアの方がコスパに長けていると感じました。
一方ライトな釣りであれば、検討の余地はあります。
エギングなどの負荷軽めで軽量性が重視される釣りにおいては、レガリスで充分な場面もあるでしょう。
カラーリングの似てる両リールなので、細かい点を比べてみましょう。
スプールに関しては、カルディアの方が明らかに肉抜きデザインがカッコ良いですね。
ハンドルノブに関してはこんな感じ。
これは見た目の問題なので好みかと思います。
23レガリスはねじ込みハンドルになったんですよね。
基本性能はカルディアの方が上ですが、23レガリスの方が新しいので差別点もあります。
それが、エアドライブデザイン。
特にエアドライブローターの違いが大きく、レガリスではカルディアよりもブレが僅かに小さいように感じます。
巻きについてはカルディアの圧勝です。
初期性能ではドッコイドッコイなのですが、レガリスは使い込む程にノイズが出てきます。
マグシールドの有無など、防水性の違いが大きいのでしょうね。
23レグザとの比較
メタルボディで価格帯の近い23レグザ。
こちらも新しいリールなのでエアドライブデザインになっています。
基本性能ではカルディアが勝るものの、巻き出しの軽さと剛性に関してはレグザの方が上ですね。
価格帯は近いですが、大型番手の有無やラウンドノブなどでカルディアとは差別化されています。
大半の釣りではカルディアが良いと思いますが、剛性を重視する釣りスタイルにおいてはレグザが選択肢になります。
具体的には磯ヒラやロックフィッシュなどなど。
主導権を握ってやり取りしたい場合においては23レグザがおすすめです。
23レグザは以下の記事でインプレしておりますので、併せて参考にしてみてください。
23エメラルダスRXとの比較
23エメラルダスRXはエギング専用モデル。
カルディアベースにエアドライブデザインが施されたリールです。
よって、性能に関してはカルディアの上位互換といって差し支えないでしょう。
特にカルディアのウィークポイントであった、「巻き出しの重さ・ドラグの滑り出し」が改善されており、エギング用途であれば圧倒的におすすめできるリールです。
23エメラルダスRXは以下の記事でインプレしています。
23シグナスLBDとの比較
23シグナスは磯釣り用のレバーブレーキリール。
こちらもカルディアを感じさせる、ザイオンVのモノコックボディですね。
シグナスに関しては明確に用途が違うので、カルディアと競合はしないでしょう。
基本性能は21カルディアを踏襲していますので、23シグナスも安心して使えるリールです。
チヌ・メジナ用途で磯釣り用のスピニングリールを探しているのであれば強くおすすします。
23シグナスは以下の記事でインプレしています。
21カルディアLTのおすすめ番手
最後に23カルディアのおすすめ番手を紹介します。
汎用性を活かせる中型番手とシナジーがありますね。
自分の釣りと照らし合わせて検討してみてください。
FCモデルの中では2000sがおすすめ!
汎用性を最大限に活かすなら3000-cxh
カルディアを可能な限り流用するなら、最も汎用性に長けた3000-cxhがおすすめ。
3000番は「チニング・フラットフィッシュ・中型青物・シーバス・エギング・タチウオ」と中型魚までは大体全てこなせます。
今後、様々な釣りにチャレンジしたい方には最適な番手ですね。
青物&シーバス用途ならド定番の4000-cxh
ショアから中~大型魚を狙うのに適した王道番手。
カルディアの剛性とパワーを最大限に活かすことが出来ます。
シーバス&青物用途であれば迷う必要なくコレ一択。
PE1号をメインに使用し、秋めいてランカーシーバスや大型青物が回ってきたらPE1.5号に巻き替えるのが良いと思います。
使用期間が長いリールなので、PEラインは色々巻き替えていますが、現在はピットブル8+を巻いています。
カルディアとの見た目相性が良いのでおすすめ。
まとめ
今回は21カルディアをインプレしました。
性能的にも扱いやすく、中級者の方には頼もしい選択肢となるリールですね。
総括するとバランス力が高く、後悔しない万能リールという立ち位置に落ち着きましたた。
本記事がリール選びの参考になれば幸いです。
当サイトでは他にも様々なリールのインプレ記事を書いておりますので、カタログスペックでは分からない実釣インプレが見たい方は是非参考にしてくださいね。