遠投カゴ釣り師にとって、1つの目標が飛距離100メートル。
ただ、実際100メートル飛ばすことは容易ではなく、ベイトリールでもそこまで飛ばせる人は多くありません。
私は元々両軸リールで遠投カゴ釣りをしていましたが、他の釣法も多く嗜むようになってから投げる機会が減ってしまいました。
両軸リールで飛ばすには練度が必要な為、そうなると必然的に飛距離も落ちてしまいます。
そこで、今年は初心に帰り、スピニングタックルで遠投カゴ釣りを楽しんでいました。
楽しみの1つとして飛距離も追求し、大台である100メートルも安定してきましたので、今回は詳しい方法をシェアしていきたいと思います。
スピニングはバックラッシュのリスクなく、極めればその辺の両軸カゴ釣り師よりも飛んでしまう為、もはや両軸タックルは自分に不要とさえ思っています。
この記事で書いていくことを忠実に模倣していただければ100メートルも可能ですので、是非参考にしてみてください。
今のスピニングタックルで何メートル飛ばせますか?
スピニングタックルは誰でも投げれるとはいえ、遠投において最低限の技術は必要です。
皆さんは、遠投カゴ釣りに使われる一般的なスピニングタックル(遠投竿4号+ナイロン6号)で何メートル飛ばせますか?
無風状態だとして一般的には50〜60メートル。
遠投カゴ釣りに慣れた釣り師でも、大体は70メートル程度かと思います。
80メートルも飛ばせたらかなりの腕です。
運動神経のない自分には、どう頑張っても70メートルが限界でした。
先に断っておくと、どんなにタックルを追求したとしても、50メートルしか飛ばせない人が、いきなり100メートル飛ばす事はまず難しいです。
そこで、今回紹介する方法では、現在の飛距離+30メートルを最大の目安に考えてもらえればと思います。
スピニングタックルで飛距離100mを超える方法
長くなるので前置きはこれくらいに、さっそく紹介していきます。
1つ1つは僅かな変化でも、積み上げる事で大きな飛距離アップに繋がりますので、確実に抑えていきましょう!
道糸をPEラインにする
スピニングタックルで飛距離を出すには、PEラインへの変更は必須です。
実釣重視の場合はPE3号が望ましいですが、飛距離を重視するならPE2.5号にしましょう。
私が使用しているのはシーガーの”PEX8”。
通販なら、釣具屋さんよりも半額近いのでオススメです。
よくある質問ですが、PEラインを使う場合でも力糸やリーダーに関しては一切不要です。
私は3号と2.5号どちらも使用しておりますが、高切れした事は1回もありません。
ただし、遠投カゴ釣りでのPEラインはルアーでの使用と比べて糸が毛羽立ちやすいので、釣行後にケバケバしていたら数メートルカットしましょう。
飛距離に関してはナイロン6号→PE2.5号で最大20メートル程のアップが期待できます。
PEラインだとウキ止めが滑るという人がいますが、私はこちらの”ガッチリウキ止”を使って滑ったことはありません。
ラインが細いので、中サイズ以下のウキ止め糸を使いましょう。
ちなみにウキ止め糸を巻き付ける回数は、自分は4回です。
ラインコーティング剤を吹く
こちらも必須事項です。
PEラインに変えただけでは、ポテンシャルを最大限に活かす事は出来ません。
そこで釣行前には、PEラインにフッ素コートをしましょう。
ガイドとの摩擦が更に減るため、PEラインのメリットを活かして更に飛距離を伸ばすことが出来ます。
また、初心者が遠投カゴ釣りでPEラインを使うとエアノットなどのトラブルが起きがちなので、トラブルを軽減する効果も大きいです。
ラインコーティング剤を色々試した中で、バリバスの”PEにシュッ!”がオススメです。
指サックをつける
PEラインは非常に細いので、素手の状態でフルキャストする事はかなりしんどいです。
最初の数投は意気込んだとしても、指が痛くなって直ぐにフルキャストできなくなります。
人によっては指への負荷に臆してしまい、1投目から全力を出す事さえ出来ないでしょうね。
そこで、指サックをつけます。
PEラインでのカゴ釣りは指への負荷が大きい為、私にとっては必須アイテムとなっています。
私が最近使っているのはTulinoの”フィンガーガード” です。
シンプルですが以下の点が気に入っています。
・厚手なので指への負荷を最大限に抑えられる
・シンプルなのでPEラインが変な箇所に引っかからない
・安くて2つ入りなので、コマセで臭くなったら買い替えられる
・グローブタイプより耐久性がある
リールを投げ用に変える
汎用スピニングリールはスプールが小さく、遠投においては明らかに不利。
飛距離を出すためには、投げ用リールが必須となります。
投げ用リールと言っても、ストローク(スプール)の大きさを重視するか、重量を重視するかはスタイルに依ります。
遠投カゴ釣りでのリールに関してはこちらの記事も参考にしてみてください。
35ミリストロークリールは理論上の飛距離最強
ストロークの大きい投げリールは、理論上は最も飛距離が出せる上、エントリーモデルもあるので安価です。
また、QD(クイックドラグ)モデルが存在し、これがカゴ釣りと相性抜群なんですよね。
カゴ釣りでの使用者が1番多いのはクロスキャスト4000QD。
重量はあるもののアンダー1万円で剛性もあり、長く使う事が出来ます。
予算のある方や性能面を重視する方には、ウインドキャストという上位モデルもありますね。
両リールの違いをよく聞かれるので、こちらについても比較記事を作成しました。
コンパクト投げリールは実釣重視
ストロークが小さいタイプは軽さが飛距離アップに繋がります。
キャスト力に自信のない方にはメリットになり得ますし、フルキャストするスタミナを保持しやすいです。
最近の激推しリールは”プロカーゴSSの4500”
重量は430gという驚異の軽さで、これは”クロスキャスト4000”よりも200g以上軽いです。
汎用リールでは新モデルが出るたびに5g軽くなったからどうだの言われますが、200gの差はレベルが違います。
また、剛性や巻き感の良さは勿論の事、マグシールドで耐久性もばっちりです。
巻き取り長もある為、カゴの回収もスムーズ。
カゴの名を冠するだけはありますね。
フルサイズとコンパクトタイプどちらが良いのか?
この2つの選択に関してですが、私の場合は実釣での飛距離はほぼ一緒。
理論上は35ミリストロークリールの方が飛ぶはずですが、私は非力な方なので、重い投げリールだとポテンシャルを活かしきれないということですね。
飛距離が同じとなると、必然的に軽い方に分があります。
ということで、私の最近の相棒はめっきりプロカーゴSS4000になりました。
クロスキャストも長く使ってきたし、充分良いですけどね。
この辺は予算と相談して頂ければと思います。
小型の天秤を使う
私はこれまで、シャフトへのハリス絡みを避けるために、なるべく大きな天秤を使用してきました。
天秤が大きいと確かに実用性は高いのですが、これがかなりの抵抗になっています。
そこで、天秤は小型のものへと変更しましょう。
高性能なクッションゴムを使う
突然ですが、皆さんはどのようなクッションゴムを使われていますか?
もしかして安価なゴムヨリトリとか…それはいけません。
というのも、クッションゴムも抵抗になっているからです。
また、PEタックルの場合はクッションゴムの役割が非常に大きいため、一番ケチってはならない所だと思っています。
クッションゴムを良いものにすると何故飛距離に関係するのか?
それは、高性能なクッションゴムなら2ランク細いものを使えるからです。
また、高性能なクッションゴムは伸びが良いため、全長を短くできる点もメリットです。
PEラインであることを考慮すると1メートル程度あった方が有利ですが、50センチでもバラし対策としては問題ないと感じています。
パッケージの適合ハリスを載せておくので、細・太ハリスを使う方は参考にしてみてください。
太ハリスを使うのであれば、青物用も一考の余地があるかと思います。太さの強度に関しては真鯛用と同じです。
ウキに関して
ウキに関しては、遠投カゴ釣り用の市販ウキならどれでも構わないと思っています。
実釣面では高価なウキを使いまわすよりも、複数の浮力・多彩な色を持っていた方が便利です。
私が使っているのは渚の遠投師ウキ。
しかし、このウキは都会や通販には中々ありません。
通販で揃える場合は同価格帯のアポロウキで良いでしょう。
遠投性を少しでも重視するならば、ピアレウキが良いと思います。
ただし、あまりにも高価なので私は使っていません。
カゴに関して
カゴは飛距離においてかなり重要な部分。私は渚の遠投師カゴの15号をメインに使っています。
振り切れる竿と腕力があるならば、18〜20号のカゴを使うことで100メートルオーバーは更に容易くなるでしょう。
飛距離の出るカゴに関しては、渚の遠投師カゴかピアレカゴの2択です。
ただしピアレカゴは例の如く高価。
また、"ヤマシタ遠投シャトル"のような丸いカゴは飛距離面ではオススメしません。更に飛距離のみを考えるならば、渚の遠投師カゴのSサイズ。
コマセはあまり入りませんが、距離に関しては抜群です。
ただし、売っている場所がかなり限られています。
Sサイズはコマセが少ないとはいえ、青物狙いやタフコン時の沖狙いなどで重宝する場面が間違いなくありますね。
あまり良い使い方とは言えませんが、私はコマセをケチりたいときなどにも使用しています。
4号5.3mの磯竿が必須
ここまで竿には敢えて触れてきませんでした。
というのも、竿は完全に予算次第だからです。
前提として、4号竿の5.3メートルはマストになります。
重要な点を挙げるなら、同じ4号竿でもハリのある硬いモデルを使う事ですね。
同じ4号竿でも様々な調子があり、厄介なことに高価だから硬いというわけでは無いのです。
予算に余裕があり、グレード別に検討したい方はこちらの記事もどうぞ。
本記事ではエントリーモデルを中心に、ハリの強い竿を紹介しておきたいと思います。
リバティクラブ磯風遠投4-53
ダイワの遠投磯竿エントリーモデルです。
100m遠投するための最低ラインがここ。
これよりグレードの低い竿はカーボンの含有率が低く、ド遠投はまず出来ません。
リバティクラブ磯風はエントリーモデルとはいえカーボン含有率が96%な為、値段の割にはかなりハリのある竿だと思います。
ちなみにこの竿、グリップ部分の素材が秀逸で滑りにくくなっています。
グリップテープを巻かなくても投げやすいのがおすすめ。
上位モデルよりも仕舞い込み時の全長が短いので、持ち運びも便利です。
インプレッサY遠投4-53
ブルズアイ遠投4-52p
遠投磯竿の場合、ミドル以降はベイトモデルの方が主になってくるので、スピニングモデルの在庫は中々見つからないようになってくると思います。
伊豆の釣具店ではほぼほぼ無いので、通販サイトなどで探してみてください。
当記事とは趣旨がズレますが、遠投カゴ釣りに熱意があるようであれば、両軸遠投カゴ釣りで100mを目指してみるのも良いでしょう。
小物類に関して
大体の事は書き終えたと思いますが、他にはしもり玉やサルカンなどの小物類を極力小さくするなどでしょうか。
小物類も色々試してはいるものの、飛距離に大きく響く要素はないと思います。
念のため、PEタックルでの小物類も軽く解説。
まず、PEラインはナイロンよりも大幅に細くなるので、ウキスイベルに関してはS~Mの小さめサイズにしましょう。
逆にからまん棒は滑って下がることがあるので、グリップ力の高い中サイズ以上が良いと思います。
これ結構大事です。
しもりだまはテーパー式のものが必須です。
ラインが細い為、穴の大きなしもり玉だとウキ止め糸で止まらないことがあります。
その他、基礎的な部分は下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
今回はスピニングタックルで100メートル飛ばす方法について書きました。
タックルが揃えば、後は投げる技術次第。釣り場に通って投げ倒して頂ければと思います。
最後に一点だけ注意です。
PEラインは横風に弱いので、混雑した釣り場で風の強い場合はラインメンディングを怠らないようにしましょう。
ナイロンに戻さずとも道糸を張り気味にする、竿先を水中に入れておく、比重の高いPEラインにする等である程度は対応可能です。
糸ふけに困ったら試してみてください^^